058 中村亮一 平川恒太 「匿名の肖像」展
Ryoichi Nakamura, Kota Hirakawa “Anonymous Portrait”
8.11-8.26

Ryoichi Nakamura《a study of identity》(部分、展示作品) Kota Hirakawa《Black color timer》(部分、展示作品)


中村亮一 平川恒太 「匿名の肖像」展
Ryoichi Nakamura, Kota Hirakawa “Anonymous Portrait”

会期/2017年8月11日(金・祝) - 8月26日(土)
時間/11:00 - 19:00
休廊/日、月曜日/入場無料 
オープニングレセプション/8月12日(土) 18:00 - 20:00
※8/19(土)、26(土)16:00-19:00に開催されるイベントのみ1drinkオーダー制です。 

この度、TOHO BEADS STYLE Tokyo Gallery t では、中村亮一と平川恒太による2人展「匿名の肖像」を開催いたします。本展では、二人の画家が、歴史や国家、人種、宗教を、人間の姿へと映し出した作品群を発表いたします。

中村亮一は、ポーラ美術振興財団の若手芸術家在外研修助成により、アメリカに滞在し(2015-16)、アメリカに於ける20世紀戦前から戦後の日本人移民、日系アメリカ人が受けた激しい人種差別、排日の為の法の制定と強制収容、アメリカ合衆国に対する忠誠登録の質問No.27と28(※1)に関心を抱きました。中村は、それらが彼らのアイデンティティに与えた影響を考察し、残された彼らの写真をもとに肖像画として描き出しています。しかし、描かれた肖像は写真の原形を留めておらず、不鮮明で個人を判別するのが困難であり、アイデンティティの揺らぎを彷彿とさせています。

一方、平川恒太は1年半の間、108つの電波時計の上に黒い絵の具のみを用い、福島第一原子力発電所事故の作業員の肖像を描いた作品《Black color timer》を制作してきました。本作品に描かれる作業員の顔は防護服により個人を特定することが困難な上に、黒のみで描かれているため近づかなければ何が描かれているのか認識できません。また、時計の秒針の音は、作業員一人ひとりの心音や原発作業のタイムリミットを暗示しているようです。関東の電波時計の標準電波は、福島県双葉郡川内村の大鷹鳥谷山の山頂付近にある、おおたかどや山標準電波送信所から送信されており(2012年4月1日まで警戒区域に指定されていた)、福島の今を想像させます。

近年、肖像という共通のテーマを主題に取り組んでいる両作家が描き出す作品からは、時代に翻弄される今の我々の姿を想起させます。本展は、私たちの取り巻く世界、国家、歴史の中での個人とは何か、また、個人の中におけるそれらとは何かを問いかけるでしょう。
ぜひご高覧下さい。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

(※1)
質問27:貴方は命令を受けたら、如何なる地域であれ合衆国軍隊の戦闘任務に服しますか?
質問28:貴方は合衆国に忠誠を誓い、国内外における如何なる攻撃に対しても合衆国を忠実に守り、且つ日本国天皇、外国政府・団体への忠節・従順を誓って否定しますか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/日系人の強制収容 【引用:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/日系人の強制収容】

 
- 関連イベント
【トーク イベント】
2017年8月12日(土)16:00 - 18:00
入場無料/予約不要
テーマ:『過程・制作・概念〜制作のためのリサーチについて〜』
作家:中村亮一、平川恒太
ゲスト:本多竜之介(月刊ギャラリー)

【オープン セッション】
作家が、今、話を伺いたいゲストをお招きして、参加者と共にテーマについてゆるやかに語り合います。作家が選りすぐったお酒やおつまみをご用意いたします。
1drinkオーダー制/1杯300-500円/予約不要
・オープン セッション 1
2017年 8月19日(土) 16:00 - 19:00 ※途中入退場自由
テーマ : 『記憶と忘却について』
ゲスト : 瀬尾 夏美(アーティスト)/岡村 幸宣(原爆の図丸木美術館)
・オープン セッション 2
2017年 8月26日(土) 16:00 - 19:00 ※途中入退場自由
テーマ : 『展示の技術について』
ゲスト : 澤田 諒 (ディスプレイ・コーディネーター)/天野 太郎 (横浜市民ギャラリーあざみ野)

〈オープン セッション ご参加のお客様へ〉
途中入退場自由です。イベント開催中、ギャラリーへの入場は自由ですが、当イベントへの参加をご希望の場合、ワンドリンクのオーダーをお願いいたします。

イベントの様子はギャラリーのSNSにて
随時、発信していきます。
facebook:@galleryt.tohobeadsstyle
Twitter:@GallerytTOHO
Instagram:@toho.beads.style.gallery.t
ハッシュタグは #galleryt

- 作家略歴 / About Artist
中村 亮一/Ryoichi Nakamura
www.ryo-art.org

1982 生まれ 東京都在住
2002 東京造形大学 入学(2004年 渡独を理由に退学)
主な個展
2016「混乱するユートピア」KOKI ARTS,東京
2016「混乱するユートピア」Parenthesis Art Space,ニューヨーク
2015「想起」KOKI ARTS,東京
2013 ギャラリー椿,東京
2012「世界は静かにNOと言い始める」LIXIL GALLERY Gallery 2,東京
主なグループ展
2016「共時性 井上光太郎 、中村亮一」伊日藝術,高雄,台湾
2016「Parallel Lives: Chicago」Zhou b Art Center,シカゴ
2016「Untitled(Affectio)」Parenthesis Art Space,ニューヨーク
2016「Spring Show」ギャラリー椿,東京
2015「嘉麻シティ レジデンス ビエンナーレ」嘉麻市立織田廣喜美術館,福岡
2011「The Color of Future」ターナーギャラリー,東京
2011「Japan Congo」Garage Center for Contemporary Culture,モスクワ
2007「中村亮一&Melissa Steckbauer」Gallery Waschhaus,ベルリン
2004「Isst du gerade meinen Tofu?」Backfabrik,ベルリン

アワード
第17回 岡本太郎現代芸術賞 入選,東京
第4回 アーティクル賞 グランプリ,東京

スカラシップ
平成27年度 ポーラ美術振興財団 在外研修(アメリカ /2015-2016)
第28回 ホルベインスカラシップ

アーティストインレジデンス
2015 The Future - 嘉麻市レジデンシー・ビエンナーレ,福岡
2009 トロントアートスクール. Independent Summer Residence,トロント


平川 恒太/Kota Hirakawa 
http://hirakawa-studio.sub.jp

1987 生まれ 埼玉県在住
2013 東京芸術大学 絵画専攻 修士課程修了
2014-2015 State Academy of Fine Arts Stuttgart/Guest Student
主な個展
2016「Between」un petit GARAGE,東京
2013「Trinitite-けいしょうされぬ記憶と形」Bambinart Gallery,東京
2012「ART FAIR TOKYO 2012」東京国際フォーラム,東京
2010「The Neverending Story-Hirakawa Kota Solo Exhibition」原爆の図 丸木美術館,埼玉
2009「“人間、自然、社会” 平川恒太展」GALLERY at lammfromm(企画 bambinart promotion)
主なグループ展
2016「VOLTA12」(ブース:MA2Gallery),バーゼル
2016「劫後風景」galerie nichido Taipei,台湾
2015「TERRADA ART AWARD2015」T-Art Gallery,東京
2014「VOCA展2014」上野の森美術館,東京
2014「Let’s Pink! 4」 gallery ラファイエット,沖縄
2013「アートがあればⅡ ─ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」東京オペラシティーアートギャラリー
2012「Keep A Breast TOKYO LOVE SHOW」表参道ヒルズ,東京
2011「第2回、道徳展」Art Center Ongoing,東京
2010「ひとひと」Bambinart Gallery,東京
2008「群馬青年ビエンナーレ」群馬県立美術館,群馬
主なアワード
2015「TERRADA ART AWARD2015」諏訪敦賞
2013「アートアワードトーキョー丸の内2013」三菱地所賞
パブリックコレクション
2013 三菱地所/Trinitite-アッツ島玉砕

- 開催概要
展覧会タイトル : 中村亮一 平川恒太 「匿名の肖像」展
会期 : 2017年8月11日(金・祝)~8月26日(土)
時間 : 11:00 – 19:00
オープニングレセプション : 8月12日(土) 18:00 - 20:00
入場無料/休廊:日・月曜日
※8/19(土)、26(土)16:00-19:00に開催されるイベントのみ1drinkオーダー制です。
会場 : TOHO BEADS STYLE Tokyo Gallery t
(〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目9-11)
Tel : 03-3862-8549



プレスリリース



〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目9-11