Gallery t では、2013年5月10日(金)~6月7日(金)まで、祐源紘史による個展「最初の食事が死の始めである」を開催いたします。
祐源紘史は、広島を活動の拠点とし、生と死をテーマに創作活動を続ける現代アーティストです。祐源の作品は、既視感を与える形態を特徴とし、一見ポップな趣向を凝らしながらも、恐怖や不安といった感情を抱く要素を含んでいます。代表作の《スケルトン》(広島アートプロジェクト2009「いざ、船内探険! 吉宝丸」出品作品)では、自ら食したケンタッキー・フライドチキンの骨を人体の骨格模型へと変貌させ、皮肉にも消費者である私たちの姿を連想させています。
このたびの個展では、人類の根源的な欲求である「食」に焦点をあて、動物の骨、卵の殻、残飯など、いずれも人間が食した命の残骸を素材とした作品を発表します。
展覧会タイトルは、イギリスの神学者トーマス・フラーの名言である「最初の呼吸が死の始めである」になぞらえ、食べることで生きながらえるエネルギーと、死に向かうエネルギー量が不条理にも同じであることを示唆しています。その逆らえないルールを助長し、私たちの日常的な行為である食べること、さらに食物の安全性にも言及していく作品群を是非ご高覧ください。
アートコーディネーター 今井みはる
(本展ゲストアートコーディネーター) |